電力用変換素子(1)
ダイオード
ポイント
〇P型半導体とn型半導体を接合した半導体素子(pn接合)
・P型半導体→多数キャリアが「正孔」
・n型半導体→多数キャリアが「電子」
・P型半導体→多数キャリアが「正孔」
・n型半導体→多数キャリアが「電子」
〇整流作用
・A(アノード)からC(カソード)に電流が流れる(順方向バイアス)
・C(カソード)からA(アノード)には電流が流れない(逆方向バイアス)
→PからNへは電流が流れるが、NからPには電流が流れない。
〇パワエレの分野では「バルブ」とも呼ばれる。

ダイオードの構造
トランジスタ
ポイント
〇3つの半導体を接合した素子
・npnトランジスタとpnpトランジスタの2種類
→まずnpnトランジスタの動作を覚えておく。pnpトランジスタは対象的な動作をする
・npnトランジスタとpnpトランジスタの2種類
→まずnpnトランジスタの動作を覚えておく。pnpトランジスタは対象的な動作をする
〇B(ベース)、E(エミッタ)、C(コレクタ)の3端子
・B-E間に電流を流すことで、CからEへの大電流を制御できる
→電流制御というが実際には、B-E間に電圧を印加して制御する。\(V_{BE}=0.7V\)程度。
〇パワエレではトランジスタは「スイッチ」として使用する。
→電子回路では、B-E間の電流の大きさを調整して、C-E間の出力の大きさを制御するが、
パワエレでは、C-E間に電流を流す(ON)/流さない(OFF)の2つの状態を制御する。

npnトランジスタの構造

pnpトランジスタの構造
サイリスタ
ポイント
〇pnpnという4つの半導体を接合した半導体素子
〇ターンオン制御ができるダイオード
・ターンオン制御:出力をONにするタイミングを制御できる
・ターンオフは制御できない(制御できるのはGTOサイリスタ)
〇G(ゲート)、A(アノード)、K(カソード)の3端子
・GからKに向かってゲート電流が流れ、かつAからKに順方向バイアスが印加されると、
AからKへ電流が流れる。
・一度、AからKへ電流が流れると、ゲート電流を0にしても、AからKの電流は止まらない。
→ターンオフ制御はできない
・GからKに向かってゲート電流が流れても、逆方向バイアスだとAからKに電流は流れない。

サイリスタの構造

サイリスタの特徴