電験学習の振り返り4(電験三種と電験二種一次まで)

電験どうでしょう。管理人のKWG(カワジ)です。

2020年度の電験の試験が先日終了しましたので、電験学習の振り返りをしていきます!
ということで、今回から科目ごとの勉強方法についてお話ししていこうと思います。

第一回の記事では 「計画の立て方とその実行方法について」についてお話ししました。
第二回の記事では機械科目の学習をもとに「未知の分野の学習の始め方と進め方」についてお話ししました。
第三回の記事では電力科目の学習をもとに「状況の変化とやるべきことの考え方」についてお話ししました。

電験二種と三種の同時合格を目指し、勉強時間、勉強方法、勉強内容などのあらゆる行動の選択と判断を
「2ヶ月で二種三種に対応できるレベルに達する」というKPIで決定していきます。

2月-3月の2ヶ月で、機械科目の学習をなんとか計画通り終えることができました。
4月-5月の2ヶ月での電力科目の学習では、KPIの設定を変更し「2ヶ月で完マス(電力)をやり切る」とし、計画通り完了することができました。

今日は法規科目(6月から7月)についてお話ししていきます。

全体のマイルストーンにおける法規科目の位置づけ

上の図は2020年2月から9月の試験までの実際の学習の流れとなります。
法規科目は主に6月~7月の2ヶ月で取り組みました。

2ヶ月で二種三種の問題が解けるようにならなければ、今年の受験は中止。
機械科目は2月~3月の期間でなんとか目標達成。電力科目も目標を「2ヶ月で完マス(電力)をやり切る」に再設定して何とか達成。

いよいよ最後の科目、法規科目と向き合うこととなりました。

暗記科目との付き合い方

まず最初に宣言させていただきます。

KWGは暗記が苦手です。

地名、人名、年代、特産物、英単語など、とにかく学生時代から記憶力が必要とされる分野の学習が苦手でした。

さらに加えて、

KWGは国語が苦手です。

私は中学を卒業して、普通科ではなく高専(高等専門学校)の進路を選んだわけですが、
社会や国語という科目から逃げたかったという思いがありました。

好きな科目を極めて、それで仕事につければいいやという安易な発想で進路を選んだわけですが、
国語というものは日本人である以上、避けては通れない科目であります。

特に社会人になってからは、報告書やビジネスメールなど結局国語が一番大切じゃないかと日々感じています。

そんなわけで、まさに暗記と国語の融合ともいえる法規科目。(※やや偏見があります)

とにかく「条文」とのファーストインプレッションが衝撃でした。

適正かつ合理的ならしめること、、、
事業の用に供する、、、
占有者に遅滞なく通知しなければならない、、、

こんな日本語使ったことないわい!
と嘆き、ものの数分でどう勉強すべきか頭を抱えました。

このような法令に関する条文を覚えるための効率的な勉強方法を私は知りません。

ただ、似たような分野の学習はした経験があります。

それは「英語」です。

法規で扱われる条文は日本語ですが、私にとって日本語でありません。(※やや偏見があります)
だけど、じっくり読めば意訳することはできます。

つまり、英語と同じように扱えばいいというのが、私なりの法規学習に対する答えです。

英語がずば抜けてできるわけではないですが、本業で論文を読んだり、学会の抄録集を読んだり、
朝は米国とWeb会議をして夜は欧州とWeb会議をするなど、
英語から逃れられない生活を日々過ごしています。(笑)

めちゃくちゃ英語ができるわけじゃないけど、なんかしゃべれるようになってからは苦手意識はなくなったし、
読み書きもできるようになってきたと思っています。

というわけで、「条文」=「英語」という怪しい等式を作ることができたので、
KWG式英語学習法を用いて法規の条文対策をすることにしました。

KWG式英語学習法の基本は音読です。

昔は英単語をたくさん書いて覚えていたんですが、年のせいか文字をたくさん書くのが苦痛になってきました。
というわけで、最近よく使うのが音読による勉強法です。

日本人は音読という習慣があまりないので、少し恥ずかしい勉強法だと感じる方も少なくないと思いますが、
脳と聴力のメカニズムを紐解いていくと、実は理にかなった勉強法なんです。

別の記事で音読の効果について解説しているので、興味がある方はこちらもどうぞ。
→→→ 聴覚がもつ不思議な力

というわけで、毎度おなじみ完全マスターシリーズ(完マス)より、「電験三種完全マスター(法規)」を利用して音読学習を行います。

やることは電力の学習と変わりません。とにかく完マスの例題と練習問題を解きまくります。
(1)例題と練習問題に挑戦する
(2)分からなかったら解説を読む
(3)さらに分からなかったら、参考書の解説を読む

参考書には電気事業法関係法令集19-20年版(オーム社)と電気設備技術基準・解釈早わかり2019年版(オーム社)を使用しました。

ここでのポイントは問題文から解説に至るまで全て音読することです。

問題も解説も全て声に出します。
意味が分からなくても、とにかく漢字の読み方を調べて発音だけはできるようにします。

やってるときは理解が進んでいるか正直分かりません。
ただ、発声をしているため眠くなることはありません。
何回か似たような文書を音読すると、黙読のスピードがあがります。

この勉強法では理解している感覚はあまりありませんが、
条文という独特の日本語に対する苦手意識は軽減され、条文に対する読解力は向上しているということを感じることができます。

要は条文が肌になじんでくるという感覚はしっかりと感じることができます。

このまま音読を続けることが効率的かはよくわかりませんが、この学習方法でとりあえず完マスを一周することにしました。

ひとまず二週間くらいで完マスの1章と2章を解き終え、

3章の計算問題は3日で完了します。(計算問題は音読はしませんでした。)

というわけで完マス法規を一周してみたわけですが、フワフワしてる感じです。
昨日見た問題は解けるけど、おととい見た問題は答えを見て思い出すって感じです。

つまり条文には慣れてきましたが、まだまだ暗記は不十分という状態です。

記憶の定着率を上げるためには、あまり間を開けずに反復することがおすすめです。
引き続き、完マスを周回する必要がありますが、計算よりも「読む」ことが主体となるのでもう少し隙間時間をうまく活用できる学習をしたいところです。

そこで今回導入したのがこちら!

ぎのさん電験法規完全攻略アプリです!

スマホアプリなので、これを使えばいつでもどこでも法規の勉強ができます。
しかも条文の虫食い問題になっているので、問題を解きながら条文を暗記することができます。

まさに、自分が欲していた教材。Best of contents for 法規。
よいです。すごくよいです。

というわけで、ぎのさんアプリを使って法規の復習をしていきます。

3時間ほど使ってみた感想です。
よいです。すごくよいです。

子供と遊びつつ、隙間時間にアプリを立ち上げて、音読。
家事を手伝いつつ、隙間時間にアプリを立ち上げて、音読。
車を運転中は、条文読み上げの機能を使って聞き流しで学習。

よい、ほんとによい。

法規を学習している日本中のお父さんにゼヒ使ってほしい。

家族との時間を確保しながら、隙間時間で学習できる最高のコンテンツ。

それが電験法規完全攻略アプリです!

ハマってしまえば、あとはその教材を使い倒すだけです。

やる!

やる!!

やる!!!

やる!!!!

やる!!!!!

約二十日間で、アプリの問題を全問完了!
後半は並行して完マスも1周し、法規の範囲は実質3周分の学習が完了しました。

私はもともと暗記が苦手なので、これまでいろいろな勉強方法を試してきました。
そんな私の暗記学習のポイントが以下となります。
(1)無理に覚えようとしない
(2)忘れて当然と思う
(3)テキストをできるだけ短い期間で周回する

(1)と(2)はとにかく暗記のストレスを減らすことが目的です。
覚えられない、忘れてしまうということを気にしすぎると、自己肯定感が薄れて学習の意欲が下がります。
意識しすぎると焦燥感も増して、さらに勉強のパフォーマンスが下がります。

電験にしかり、語学にしかり、継続的な学習が必要であり、すぐに結果が出る必要はないので、
そのうち覚えるだろうくらいの気持ちで長期的な学習を意識することが大切です。

そして、暗記において最も重要なポイントが(3)です。

暗記とは「穴の開いたバケツに水を注ぐ作業」だと私は考えています。

情報を水、脳を穴の開いたバケツと考えたとき、情報を脳に注いでも溜まることはなくいつかは空っぽになってしまいます。

この例えだと暗記なんて不可能だということになってしまうんですが、
穴の開いたバケツでも水を貯めることができます。

それは水が漏れる量よりも多くの水を注ぐことです。

ちょっとずつ水を注いでもバケツに水は溜まっていきませんが、大量の水を注ぎ続ければバケツに水は溜まっていき水位もどんどん上がっていきます。

この作業こそが(3)テキストをできるだけ短い期間で周回する になります。

さらにいうとバケツに注ぐ水はきれいな水ではなく小石や小枝が混ざっています。

小石や小枝が混ざった水をバケツに注ぐと、水に比べて比重が大きい小石や小枝が先にそこに溜まります。
この小石や小枝がバケツの穴に引っ掛かり、穴が小さくなります。
穴が小さくなると水の漏れる速度が遅くなり、バケツの水が溜まりやすくなります。

つまり暗記において、脳にたくさんの情報を絶え間なく注ぎ続けることはすごく効果的な方法となります。

それでも穴を完全にふさいだわけではないので、水を注ぐことを止めるといつか水はなくなります。

それで構いません。

水はなくなっても、脳に残るものがあります。

それが小石や小枝です。

実はこの小石や小枝は情報と情報をつなぐ骨格としての役割を果たしてくれます。

時間が経つと詳細な情報は消えていきますが、情報と情報のつながりはそのまま脳に残ります。
たくさんの情報を一時的にでも脳に蓄えると、そのときに脳内では情報と情報の関連付けが行われます。
そして、関連付けによりたくさんの情報をつなげる「情報の骨格」ができます。

暗記学習において、この「情報の骨格」を形成していくという作業が最も重要で価値のあることなのです。

時間が経ち覚えた情報をほとんど忘れてしまっても、「情報の骨格」があれば少しの情報を見返すだけで、当時覚えた情報が芋ずる式に脳内に溢れ出します。

暗記とは細かいことを丁寧にじっくり確実に覚えることではなく、たくさんの情報を一気に脳に注ぎ「情報の骨格」を形成していくこと。
これが私の考える暗記です。

というわけで、約40日で電験三種法規の範囲を三週まわすことができました。
完璧に暗記したわけではありませんが、言葉と言葉の関連付けはできてきたし、完マスのどこにどんなことが書いてあるという感覚はできてきました。

「2ヶ月で二種三種に対応できるレベルに達する」という目標に対して法規二種の範囲がまだ残っていますが、タイムリミットの7月31日まで19日残しで、三種の範囲の学習を終了することができました。

残り19日については次回の記事で詳細を書かせてもらうとして、電験三種の範囲を一通り網羅することができました。

これまでの積み上げを可視化するとこんな感じです。

機械、電力、法規の学習を初めて約5ヶ月。

たった5ヶ月しかないと考えるか、5ヶ月もあると考えるか、

結局のところ、その期間とどれだけ真剣に向き合えるかで価値観は変わってきます。
私は5ヶ月あればなんとかなると信じていました。だからまだ5ヶ月もあると考えて学習を進めてきました。

次回からはいよいよ2種の範囲に取り組みます。電力と法規はまで二種の範囲が未着手です。
試験まで残り二ヶ月。

ここから本番まで一気に駆け抜けていきます。

最後に

今回は電験学習の振り返りの第四弾として、法規科目の学習についてお話をさせていただきました。
この記事では「暗記科目の学習方法」を一つのテーマとして解説してみました。

電験受験者は理系の方が多く、計算は得意だけど暗記は苦手という方も少なくないと思います。

暗記学習のポイントは
(1)無理に覚えようとしない
(2)忘れて当然と思う
(3)テキストをできるだけ短い期間で周回する

この中で特に(3)が重要です。

暗記とは「穴の開いたバケツに水を注ぐ作業」です。
穴の開いたバケツに水を貯めるという矛盾した作業をなすためには、
大量の水をバケツに注ぎ続けなければいけません。

大変な作業ですが、これを為すことで「情報の骨格」が形成されます。
そして、「情報の骨格」を作ることが暗記ということになります。

この記事が、あなたの電験学習の計画の立て方のお役に立てば幸いです。

「自身の勉強方法について相談したい」という方は、
以下のLINE「電どうLINE」を通じてメッセージをいただければご協力させていただきます。

まずはLINEの友だち追加を宜しくお願いします。

友だち追加