電験学習の振り返り3(電験三種と電験二種一次まで)

電験どうでしょう。管理人のKWG(カワジ)です。

2020年度の電験の試験が先日終了しましたので、電験学習の振り返りをしていきます!
ということで、今回から科目ごとの勉強方法についてお話ししていこうと思います。

第一回の記事では 「計画の立て方とその実行方法について」についてお話ししました。
第二回の記事では機械科目の学習をもとに「未知の分野の学習の始め方と進め方」についてお話ししました。

電験二種と三種の同時合格を目指し、勉強時間、勉強方法、勉強内容などのあらゆる行動の選択と判断を
「2ヶ月で二種三種に対応できるレベルに達する」というKPIで決定していきます。

2月-3月の2ヶ月で、機械科目の学習をなんとか計画通り終えることができました。

今日は電力科目(4月から5月)についてお話ししていきます。

全体のマイルストーンにおける電力科目の位置づけ

上の図は2020年2月から9月の試験までの実際の学習の流れとなります。
機械科目は主に4月~5月の2ヶ月で取り組みました。

2ヶ月で二種三種の問題が解けるようにならなければ、今年の受験は中止。
機械科目は2月~3月の期間でなんとか目標達成。この勢いに乗って電力科目もなんとか二ヶ月でマスターしたいところです。

電気科目の学習には「電験三種完全マスター(電力)」を使用します。

必勝パターン「完マス→過去問」で挑戦!

機械科目の学習では、以下のような手順で学習を行い、三種二種の範囲を習得することができました。
 (1)過去問チェック+電験王さんの解説で基礎知識を習得
 (2)完マス(※)の例題と練習問題に挑戦
 (3)三種と二種一次の過去問で実力チェック
   ※完全マスターのことを私は勝手に完マスと略しています

電力科目でも同様の手順で進めていきますが、使用するテキスト「電験三種完全マスター(電力)」を見てみると、
そこそこ図による解説がついており、それに則した問題が記載されています。

完マスのみで解説を見ながら問題を解き進めることができるので、
(1)の過去問チェックによる準備はスキップして、初めから(2)の完マスの問題に挑戦していきます。

発電所の構成やタービンの構造などは動画による情報の方がイメージしやすかったので、
ゼキザップさんの「電トレTUBE」を始めとしたYOUTUBEの動画を適時参考にさせていただきました。

まずは水力発電からです。完マス第一章の例題21問と練習問題14問を解きます。

完マスの水力発電の単元が終わったので、
続いて、三種と二種一次の電力科目の過去問から水力発電の問題をピックアップして、5年分の問題を解いてみます。

むむむ、二種一次の問題の正解率が低い。
「完マスだけでも二種一次何とかなる説」が崩れてしまったかもしれません。

一単元だけでは勉強の方針を変えるという決断はしにくいので、
サンプルを増やすため、「発電」の範囲を同じように学習していきます。
というわけで、完マス第二章の火力発電の問題を解き、三種と二種一次の過去問に挑戦します。
  

うーん、やっぱり二種一次の点数が安定しない。

気を取り直して、残りの発電の範囲である第三章の原子力発電と第四章の再生可能エネルギーの問題に取り組みます。

  

完マスの問題を解き終え、関連の過去問を調べてみると、、、

あれ、二種一次は水力発電と火力発電以外の問題少なくない?

電験王さんのサイトでも確認してみると、H25~R01の7年間で3問しか出題されていません。

これは電力科目の二種一次向けの対策は見直しが必要だと、ここで判断しました。

発電の範囲だけですが、電力科目の二種一次の過去問を解いてみた感じ、
「重箱の隅をつついてくる」ような問題が多いという印象があります。

発電の原理に関わる力学的エネルギーが電気的エネルギーに変わる部分を掘り下げるような問題よりも、
発電設備の一部の機能に焦点を置くような問題が多いと感じました。

特に私が間違えた問題を並べてみると、
 水力発電所の入口弁に関する問題、
 火力発電所の硫黄酸化物の処理に関する問題、
 火力発電所の復水器の構造に関する問題、
など、実際の発電施設のことを知らないと分からないようなものが多かったです。

このような問題は、私のような発電施設で働いた経験のない人間が短期間で十分な対策をするのが難しいです。
なかなか悩ましい問題にぶつかりました。

続いて、発電以外の単元について確認してみます。
二種一次の過去問をチェックしてみると、論説問題が中心になっているのに対して、
私のメインテキストである完マスは、膨大な量の計算問題が取り上げられています。

おそらく、二種一次では発電以外の単元も同様に実際の変電施設、送配電線施設に関する問題が取り上げられているはずです。
(この時点では、細かく過去問の分析はしていません)

ということは、計算問題主体の完マスをやりきっても、二種一次に対して効果的な学習にはならないということになります。

成し遂げたいことは「二種三種の同時合格」
そしてそのために「2ヶ月で二種三種に対応できるレベルに達する」というのが私のKPIです。

KPIに基づいて行動を決めるとするならば、二種一次対策に重点をおいたテキストを用いた学習に切り替えるという選択をするべきです。
一方で、4月中旬から5月の間に二種に関する知識をたくさん詰め込んでも、9月の本番まで覚えておける自信はありません。

ということで、学習方法の変更の是非を問う選択肢ができてしまいました。
(方針1)二種一次を見越して、幅広い知識を集めるような学習を行う
(方針2)完マスをこのまま使い、三種をベースとした基礎固めをしっかりやる

(方針1)は一時的に二種一次に対応できるレベルになることはできますが、試験本番前にやり直しが必要
(方針2)は現段階では基礎固めにとどまるため、試験本番前に二種一次に合わせた追加の学習が必要

(方針1)については試験本番前に電力科目以外の復習も必要なので、
十分時間が取れず不完全な状態のまま試験に突入するリスクがあります。

(方針2)についても同様のリスクがありますが、
完マスをしっかりやるだけでも、二種一次を10回受けたら3~4回は合格点をとれる気がします。

もっとも大切なことは、試験本番の2020年9月12日にできる限りベストな状態になっていることです。
なのでベストな状態になれないリスクはできる限り排除するべきです。

(方針1)はうまくいけば高い勝率で試験に挑めますが、直前の準備に失敗すると勝算がない状態で試験を迎える可能性があります。
(方針2)であれば、最低でも勝率30%で試験に挑むことができ、直前の準備でその勝率をあげることができます。


ということでリスクヘッジの観点から(方針2)完マスをこのまま使い、三種をベースとした基礎固めをしっかりやるを選択しました。

それに伴い、電力科目の学習に関するKPIは「2ヶ月で完マス(電力)をやり切る」という方針に切り替わりました。

機械科目は過去問を解いて対応できた範囲の単元は完マスの問題は省略しましたが、電力科目は全ての問題を解きます。

完マスに記載されている情報は全て二種一次を学習するための下地になる。
そう信じて、残り1カ月弱の期間は、完マスの問題を解き続けます。

やる!

 

やる!!

 

やる!!!

 

やる!!!!

 

1日足が出てしまいましたが、6/1に完マス(電力)の全ての問題をやるきることができました。

<電験三種完全マスター(電力)の内容>
 〇テキスト総ページ数 538ページ
 〇例題の総問題数   257問
 〇練習問題の総問題数 204問

変圧、短絡地絡の単元で「百分率インピーダンス(%Z)」の知識が必要になりますが、
この部分は予備知識がなかったため、サブテキストとして「%Z法と対象座標法の入門」を使用しました。
実例を交えた丁寧な解説がされていて、例題も多かったため、2-3日で%Zの問題が解けるようになりました。

 

電力科目学習の過程で、「2ヶ月で二種三種に対応できるレベルに達する」という目標から、
「2ヶ月で完マス(電力)をやり切る」という目標に方針を切り替えましたが、
なんとか目標を達成することができました。

KPIは最終的に成し遂げたいゴールや成果(ここでは電験二種三種同時合格です)に対して、
日々の活動が有効に働いているかどうかを確認する指標です。

「KPIを変えること」=「ゴールを変えること」にはなりません。

環境の変化や、実際に試してみて分かることはたくさんがあります。
状況に応じて為すべきことを変更するという判断も必要です。

成し遂げたいゴールを確実に達成するために、
日々の活動のパフォーマンスを高めることと失敗するリスクを下げることを意識して、
トータルで勝率をあげる方法を模索し続けることが大切です。

但し、スケジュールや計画を作ることに注力し続けることは厳禁です。
「とりあえずここまでは今の方法でやってみる」という区切りは決めて行動しましょう。

(1)やることを決める
(2)不安に思ってもキリがいいところまではやる
(3)ダメそうだったらやることを見直す

せっかく計画をたてても(1)と(3)だけでは少しもったいないです。
かならず(2)の期間も設けて、そのうえで方針変更の検討をすることがよいと私は思っています。

何はともあれ、4月‐5月も為すべきことをやり切ることができました。
6月からは法規科目の学習に移行します。

最後に

今回は電験学習の振り返りの第三弾として、電力科目の学習についてお話をさせていただきました。
この記事では「 状況の変化とやるべきことの考え方 」を一つのテーマとして解説してみました。

効率的な勉強方法は人それぞれ違います。
さらに、取り組む課題の難易度、量、期間によって最適な方法は都度変わってきます。

最終的に成し遂げたいゴールさえ変わらなければ、やるべきことを変えることはOKです。
但し、スケジュールや計画を作ることが目的にならないように、
キリのいいところまでは決めたことをやり切るという意思も必要です。

(1)やることを決める
(2)不安に思ってもキリがいいところまではやる
(3)ダメそうだったらやることを見直す

この3つのアクションをひとまとめにやるべきことのブラッシュアップをしていきましょう。

この記事が、あなたの電験学習の計画の立て方のお役に立てば幸いです。

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