電験学習の振り返り2(電験三種と電験二種一次まで)

電験どうでしょう。管理人のKWG(カワジ)です。

2020年度の電験の試験が先日終了しましたので、電験学習の振り返りをしていきます!
ということで、今回から科目ごとの勉強方法についてお話ししていこうと思います。

前回の記事では 「計画の立て方とその実行方法について」についてお話ししました。

電験二種と三種の同時合格を目指し、勉強時間、勉強方法、勉強内容などのあらゆる行動の選択と判断を
「2ヶ月で二種三種に対応できるレベルに達する」というKPIで決定していく。


KWGの中にスーパードS上司の鬼KWGを作り上げ、私はその上司に自身の行動について提案をし、
承認を得るということをくり返して電験の勉強をしていくこととなりました。

今日は機械科目(2月から3月)についてお話ししていきます。

ちなみに、この機械科目の具体的な学習方法と成果については、別の記事でも紹介しています。
こちらは「勉強を継続するコツ」について焦点を充てた内容になっているので興味がある方はゼヒ見てみてください。
勉強を継続するコツーそれは「没頭力」ー

全体のマイルストーンにおける機械科目の位置づけ


上の図は2020年2月から9月の試験までの実際の学習の流れとなります。
機械科目は主に2月~3月の2ヶ月で取り組みました。

2ヶ月で二種三種の問題が解けるようにならなければ、今年の受験は中止。
このルールで進めると決めた最初の科目なので、何とか乗り越えたいところです。

しかしこの企画の開始時、すでに大きな暗礁に乗り上げていました。

この画像は機械の学習すると宣言したときのTweetです。
画像下部の日付に注目です。

2020年2月17日

そうです。

2月1日からじゃないんです。すでに2月は残り10日程度となっていました。
2ヶ月というルールを定めながら、実際には40日しかありません

「4月17日までにすればいいじゃん」って勉強中に100回くらい考えたんですが、
機械を3月中にまとめておかないとどう考えても後半きつすぎると思ったので、
3月末までに機械科目の二種三種の問題が解けるようにするという短納期計画を実行する運びとなりました。

直流機、誘導機、同期機の学習を開始!

Twitterやブログを見ていると、機械の中心は「四機(変圧器、直流機、誘導機、同期機)」だという雰囲気があるので、
まずは四機から攻めることにします。変圧器は本職でも扱っているので、その他の直流機、誘導機、同期機から着手することにしました。

とにかく効率重視です。「理解することではなく問題が解けるようになること」ここに焦点をおいて、勉強の計画を立てます。
直流機、誘導機、同期機は以下の方法で勉強を進めることにしました。
 (1)二種三種の過去5年分から、直流機、誘導機、同期機の問題を抜き出し分類する。
 (2)分類した過去問のうち1単元のみ(例えば直流機のみ)の問題に挑戦する。
 (3)問題文を読み、1分考えて、何をすればいいか分からなかったら、電験王さんの解説を見る。

直流機、誘導機、同期機についてはほとんど予備知識がありませんでした。

界磁電流と言われても、福本先生の某漫画の主人公しか浮かんでこないし、
電機子反作用と言われても、超合金ロボットの必殺技みたいなイメージしか浮かんできません。

電動機と発電機はこんなレベルから勉強を始めたので、
全て新しい言葉ばかりだと解説を見ても何が重要かが分かりません。

そこで、有効なので電験王さんの解説です。
電験王さんの解説には、「問題の難易度」と「ワンポイント解説」がついています。
私にとってはこの二つが非常に有効でした。

難易度が低い問題は基礎的な問題なのでキチンと理解しないといけません。
ワンポイント解説はその問題を解くうえでで気をつけるべき情報が書かれているので、重要な情報であるという認識をしないといけません。

このように、

未知の分野について学習をするとき、
 ・その分野の基本事項は何か、
 ・自分がやりたいことのために習得すべきことは何か、

の2つをキチンと押さえることができると、勉強の効率は大幅に改善されます。

直流機、誘導機、同期機のレベルアップ!

電験王さんの解説を見続けても過去問以外の問題には対応できないので、自分の知識レベルを実践に対応できるところまで
引き上げる必要があります。

というわけで、過去問+電験王さんの解説チェックが完了したら、練習問題にガンガン挑戦していきます。

とにかく数をこなすことが一番大切です。
そして、「解けた問題の数」ではなく、「挑戦した問題の数」にこだわります。

勉強した時間よりも、1時間あたりに何問に挑戦できたか、一日あたりに何問挑戦できたか、
その日の勉強の良し悪しは「挑戦した問題の数」をKPI(Key Performance Indicator:重要業績指標)として管理しました。

使用したのは電験三種完全マスター(機械)です。
直流機、誘導機、同期機の範囲の例題を練習問題を片っ端から解いていきます。

解いていきますと言っても、問題を見て、1分考えて何をすればいいか分からなければ、解答と解説の確認をします。
最初の式の立て方と計算手順が納得できればOKとします。

完マス(完全マスターのことを私は勝手に完マスと略しています)のいいところは掲載されている問題数が多いことです。
この問題が電験三種にマッチしているかどうかは賛否ありますが、
問題に挑戦することを軸とした勉強方法とは非常に相性がいいテキストであることは間違いありません。

できるだけ日にちは開けずに、ひたすら問題に挑み続けます。

短い時間で大量の問題に取り組むと、計算に必要な条件の見極めと計算の手順が身についてきます。

この公式はこう使うんだ。
この条件が違うからさっきの問題とは違う計算をしているんだ。
この2つの問題、解説では違う計算をしてるけど、同じ計算方法でいけるな。

問題に挑戦する過程で、こういう気づきが浮かんできたら最高です。

先にも述べましたが、とにかく効率重視です。
「理解することではなく問題が解けるようになること」を達成することが最も重要です。

一つの問題をじっくり考えて理解できたとしても、その問題しか対応できません。

実際の試験では、どんな問題が出るか分からないし、短い時間で答えにたどり着かないといけません。

なので、問題文を読んだら、ミスがなく短時間で答えにたどり着くためのストーリーを自分で描けるようにならないといけません。

問題を解くためにベストな選択をする必要があるということです。

そのためには、特定の分野の問題群を俯瞰的に見て、自分なりに問題の分類と解答のパターン化をする必要があります。

難しい言葉になってしまいましたが、
1つの問題に固執せず、
いろんな問題に挑戦して、
問題ごとの違いや共通点を見つけて、
自分なりの必勝パターンを作る。

これが大事だということです。

これこそが「理解することではなく問題が解けるようになること」ということになります。

そして、この言葉には続きがあって、「問題が解けるようになってくると、理解は後からついてくる」ということです。

電験三種の過去問とその解説をざっと見て、完全マスターの例題と練習問題をやり切った結果、
電験二種一次の過去問も問題も解くことができるようになりました。

たくさんの問題を解いて必勝パターンが構築できると、それを使って応用問題や少し傾向が違う問題にも対応できるようになります。
実は、必勝パターンを作るということはその単元を理解するということにつながっているのです。

 

 

丸暗記と理解のボーダーラインを見極める!

問題主体の勉強をしていると、
 よく分からないけど、この式を使う。
 よく分からないけど、この値を代入する。
 よく分からないけど、この場合は違う式を使う。

という場面によく遭遇します。
問題の解答や付随する解説を確認することで解決できることもありますが、
何問解いてもやっぱり分からないというものがどうしても残ります。

特に予備知識がない分野では、「解説側(本や先生)が当たり前だと思っていること」が分からず、
解説がどうもしっくりこないということはよくあります。

この「当たり前」が曲者で、
「すごく基本的なこと」または「すごく難しいこと」のどちらかに分類されます。

すごく基本的なこと(理解するべきこと)はよく分からないままにはできないし、
すごく難しいこと(暗記するべきこと)は深追いしても理解できずタイムロスにつながります。

先にも述べましたが、とにかく効率重視です。
「理解することではなく問題が解けるようになること」を達成することが最も重要です。

従って、この「当たり前」が
 すごく基本的なこと(理解するべきこと)なのか、
 すごく難しいこと(暗記するべきこと)なのか、
を見極めて対応しないといけません。

図やグラフを確認する

「言葉だけじゃなくて、図を使って説明してくれる?」

社会人になって、私がよく先輩に言われたセリフです。

伝える側と聞く側では、言葉から想像するイメージに差ができます。

子供のころにやった「伝言ゲーム」という遊びでも、
言葉で情報を伝えていく過程で生じるイメージのずれを感じることができたと思います。

なので、テキストに書かれた文章から作者が伝えたいとすることを完全に理解することはすごく難しい作業なんです。

というわけで、文章で分からないことは図やグラフで確認してみるのが一番効率的です。

特に、機械科目の発電機と電動機は、機械的な構造と電磁気学が密接に関係するため、
発電機や電動機が実際にどのような構造かを知っていることは問題を解くうえで非常に重要になります。

というわけで私は、最新モータ技術のすべてがわかる本 ナツメ社という本を参考にして、発電機と電動機の構造を確認しました。

電機子巻線の巻き方や特殊かご型誘導機の構造などはこのテキストによりイメージを知ることができ、
メインで使っている完全マスターの解説を理解することができました。

他のテキストの解説と比較する

数式の立て方や数式の変形がよく分からない場合、図やグラフがあまり関係しないため、
先の方法では「解説側の当たり前」が簡単か難しいかを見極めることができません。

そんなときは、「他のテキストの解説と比較」する方法をおすすめします。

参考にするテキストは「メインで使っているテキストと同じくらい若しくは少し簡単なもの」を選ぶのが良いです。

このテキストは有名かどうかよりも、実際に自分で内容を確認して読みやすいかどうかで選ぶのがよいです。
数式の量、文字の大きさ、図の多さなど、直感でいいのであまりストレスを感じないテキストを選びましょう。

参考にするテキストが決まったら、メインのテキストと参考にするテキストには明確な役割を与えます。

メインのテキストは、あなたにとって「電験の担任の先生」
参考にするテキストは、あなたにとって「電験の副担任の先生」
となります。

担任の先生の言っていることが分からないから、副担任の先生にも同じことを教えてもらって、
もっとわかりやすい説明をしてもらえたらラッキー。
同じ説明をされたらそういうもんだと思って、割り切って暗記すればOK。
こんな感じで使ってください。

メインのテキストの解説でしっくりこないときに、参考にするテキストではどんな解説をしているのかを
確認するために使いましょう。

私は、完全マスターをメインで使い、参考にするテキストにはよくわかる電気機器 森北出版を選びました。
このテキストが発電機や電動機の参考書としてすごく有名なわけではないですが、書店で内容をざっと確認して、
数式の量が完全マスターと同じくらいで図や解説の量が完全マスターより多いという理由で選びました。

結果、誘導機の等価回路について、2次側の負荷の一次側変換の方法やすべりと負荷の関係などを理解することができ、
完全マスターだけでは理解しきれない部分の知識を得ることができました。

メインのテキストは合格された方の感想やAmazonのレビューなどから選べばいいですが、
サブとして使う参考にするテキストは、キチンと内容を眺めて自分のフィーリングに合うものを選ぶのが効果的です。

四機だけじゃない他の単元との戦い!

3月15日に四機(変圧器、直流機、誘導機、同期機)の範囲の学習を終えることができましたが、
あと2週間で残りの範囲を完了しないといけません。

残りの範囲は、パワエレ、自動制御、シーケンス制御、論理回路、電気化学、電気加熱、照明、プログラミング、ソフトウェア全般
といった感じで、電気が関わる様々な分野の問題が全て機械科目に押し込められている印象です。

過去問をざーっとて感じたのが、

計算の難易度は四機に比べて簡単である

というのが一番最初の印象です。

熱力学、化学、力学など電機以外の分野の知識が必要ですが、
数学としては連立方程式が分かればそこそこ対応できるという風に感じました。

ということで、「計算式をたてる(立式)ができれば残りの単元はなんとかなる」ということで、
「問題文を理解して式が立てられるようになること」を目標に他の単元の学習を進めることにしました。

また、本職で扱っているパワエレ、自動制御、論理回路、プログラミングの範囲は、
過去問解くまでにとどめ、完マスの例題と練習問題には取り組まない。

シーケンス制御は出題頻度が圧倒的に低いことと、ソフトウェア全般は選択問題として扱われるので、
勉強しない(捨てる)という選択をしました。

「2ヶ月で二種三種に対応できるレベルに達する」このKPIに沿って行動は決めていくので、
すでに十分な知識がある単元についてはわざわざ時間を使わない。
本番の試験の点数に大きく影響しない部分はきっぱり捨てる。
という決断しました。

時間をどこに投資するか決定するため、
選択に迫られた場面で判断を後回しにせずにきちんと決断をすることで、
捨てられた選択肢のために貴重な時間を大切に使おうという責任感が生まれます。

大事なことの決断は後回しにせず、必要なタイミングでキチンと決断する。
こうすることで、自分の行動理念を揺るがすことなく、責任感のある行動がとれるようになります。

ということで、各単元がどのくらい解けるかを確認することするため、四機以外の三種の過去問を解きました。

三種の過去問を解いてみた結果、
照明の問題は全く分からなかったので、完マスの証明の範囲の例題と練習問題を一気に解きました。

完マスの問題を解き終え、再度照明の範囲のみ三種の過去問に挑戦し、さらに二種一次の過去問にも挑戦しました。
結果、照明の範囲のみですが、三種二種ともに8割以上の正解率を達成することができたので、
照明の範囲は無事二種一次に対応できるレベルに達したとみなします。

照明以外の範囲については三種は全て8割以上の正解率を達成することができたので、
機械科目の三種の学習はこの時点で目標達成とします。

続いて、四機と照明以外の範囲の二種一次の過去問に挑戦しました。

結果、電気化学と電気加熱の範囲の得点にムラがあったので、
この2つの単元について完マスの例題と練習問題を一気に解きました。

 

完マスの問題を解いた後、三種と二種一次の電気化学と電気加熱の範囲の問題を確認し、
問題文に対して適切な答えが選択できることが確認できたので、
電気化学と電気加熱の範囲は無事二種一次に対応できるレベルに達したとみなします。

以上より二種一次の範囲においても全て8割以上の正解率を達成することができたので、
機械科目の学習は二種三種に対応できるレベルに達することができました。

完了日は3月30日。

期限の3月31日の一日前倒しで目標達成ということで、
「2ヶ月で二種三種に対応できるレベルに達する」という目標も死守することができ、
令和二年の電験に向けて残りの科目の学習を継続する権利を確保することができました。

最後に

今回は電験学習の振り返りの第二弾として、機械科目の学習についてお話をさせていただきました。
この記事では未知の分野の学習の始め方と進め方を一つのテーマとして解説してみました。

2ヶ月(実際には40日)という期間で、電験で最も範囲が広い機械科目をマスターするのは非常に大変です。
特に自分が今まで勉強したことが無い単元については、計画を立てることさえ難しいです。

できるだけ短い期間で基礎知識を集め、
分からないことをどこまで掘り下げるかの線引きをすることが、
時間を浪費しないために非常に重要な手段となります。


この記事が、あなたの電験学習の計画の立て方のお役に立てば幸いです。

また、 機械科目の具体的な学習方法と成果については、別の記事でも紹介しています。
こちらは「勉強を継続するコツ」について焦点を充てた内容になっているので興味がある方はゼヒ見てみてください。
勉強を継続するコツーそれは「没頭力」ー


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