H27 問02


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解説

問1に続き、平行板コンデンサに関する問題です。

以下の公式を使います。
$$C=\varepsilon \frac{S}{d},\,\, Q=CV,\,\, E=\frac{V}{d},\,\, W=\frac{1}{2}CV^2$$

コンデンサの静電エネルギーに関する公式は、他の公式に比べて使用頻度は低いですが、
きちんと押さえておきましょう。

(ア)静電容量、(イ)電界、(ウ)静電エネルギーは式の変形で順番に導出することができます。
添付画像の式変形を参考にしてください。

(エ)の解答には、(ウ)の静電エネルギーの式が必要となります。
$$W=\frac{1}{2}\frac{Q^2l}{\varepsilon_0A}$$
この式より、電極間距離\(l\)が大きくなると、静電エネルギー\(W\)は大きくなることが分かります。

では次に、静電エネルギー\(W\)が増えるということの物理的意味を考えています。

静電エネルギー\(W\)が増えるということは、平板間で蓄えれるエネルギーが増加するということです。
つまり、外部からエネルギーを与えられることを意味します。

問題によると、電極間には引力または斥力どちらかが働くかを問われています。

電極間距離を大きくすると静電エネルギーが増える。
つまり、外部からエネルギーを供給する必要がある。
エネルギーの供給につながるのは引力/斥力どっちでしょうか?

と考えていくと、

電極間距離を離すと疲れました。電極間には引力/斥力どっちが働いていますか?

という問題に読み替えることができます。

ここまで、問題をかみ砕くと、疲れる→引っ張られる→引力と答えを導くことができます。

エネルギーの式から力の式を導出することも可能ですが、
その作業こと無駄にエネルギーを使うことになります。

エネルギーを与える→仕事をする→疲れるって感じで、
物理に対して定性的なイメージを持ってるかどうかが重要になります。

電磁気学などの物理という学問は、
公式を暗記するだけでなく、その式が何を意味しているか、自分なりに公式を吟味して
イメージを膨らめせることがすごく重要です。

是非、試してみてください。