H27 問05
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解説
ファラデーの法則に関する問題です。
ファラデーの法則とは、
「コイルを貫く磁束が時間的に変化すると、磁束の変化を妨げる向きに電圧が発生する」
という現象のことです。
磁束が変化するという部分がポイントです。
この問題では、三角形ループがソレノイド(磁束がたくさんある空間)へ移動することで、
三角形ループ内の磁束が時間的に変化するということを意味しています。
三角形ループとソレノイドの位置関係に合わせて、3つの期間に分けて考えると、
三角形ループ内で発生する誘導電圧をイメージしやすくなります。
期間1:三角形ループがソレノイドの外
三角形ループがソレノイドの外側に位置するとき、三角形ループ内の磁束は0なので、
誘導電圧は0となります。(位置関係のイメージは添付画像を参考ください)
期間2:三角形ループがソレノイドに侵入
三角形ループがソレノイドコイルに侵入すると、コイル内の磁束が変化し誘導電圧が発生します。
このときポイントとなるのが磁束がどのくらい変化するか?です。
添付画像の下部のポイントの部分を参照ください。
磁束の時間変化の程度を考えるにあたって、まず三角形ループを適当な大きさに分割します。
三角形ループが一定の速度でソレノイドループに侵入する場合、
ここで考えた分割の1つの塊が磁束の変化量と考えることができます。
このイメージをもって、添付画像のポイントの部分を眺めると、
時間が進むごとに磁束の変化量が増えていくことが分かります。
ファラデーの法則によると、発生する誘導電圧は磁束の変化量に比例するので、
時間が進むごとに誘導電圧はどんどん大きくなっていくことが分かります。
期間3:三角形ループが完全にソレノイドの中に入る
三角形ループがソレノイドコイルの中に完全に収まってしまうと、三角ループ内の磁束は常に\(B\)になります。
従って磁束は一定値となり変化しないので、誘導電圧は発生せず0となります。
期間1、2、3の電圧の変化をまとめると、選択肢(5)がこの問題の答えとなります。
補足では、期間2の誘導電圧の大きさを計算で導出しています。
微分積分の知識があれば、計算をすることが可能なので、興味がある方や電験2種を
目指している方は参考にしてみてください。
ファラデーの法則をイメージをつかむにはいい問題だと思いますので、
苦手な方はこの機会に理解を深めていただければ幸いです。