H28 問09


<画像クリックで拡大表示>
問題はこちら

解説

交流回路のインピーダンスに関する問題です。
コイルとコンデンサのインピーダンスは周波数に依存して変化します。
これらの部分の合成インピーダンスを求めて、
極めて大きくなる場合/小さくなる場合の角周波数を見極めましょう。

添付画像の上部の図のように、\(C\)、\(L_1\)、\(L_2\)による合成インピーダンス\(Z\)について考えます。
$$Z=\frac{j\omega(L_1+L_2-\omega^2L_1L_2C)}{1-\omega^2L_2C}$$

この式より、インピーダンスが極めて大きくなる場合/小さくなる場合の角周波数を求めます。

(1)インピーダンスが極めて大きくなる場合→分母が0

合成インピーダンス\(Z\)の分母が0となる角周波数\(\omega_2\)は、
$$1-\omega_2^2L_2C=0 \rightarrow \omega_2=\frac{1}{\sqrt{L_2C}}=2.5\times10^4[rad/s]$$

(2)インピーダンスが極めて小さくなる場合→分子が0

合成インピーダンス\(Z\)の分子が0となる角周波数\(\omega_1\)は、
$$L_1+L_2-\omega_1^2L_1L_2C=0 \rightarrow \omega_1=\sqrt{\frac{L_1+L_2}{L_1L_2C}}=3.1\times10^4[rad/s]$$

計算が複雑ですが、この水準の計算をこなすことができれば、電験三種の交流の計算はほぼ対応できます。
自信をつけるためにも類似問題をこなしていきましょう。
参考になれば幸いです。