H29 問09
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解説
交流回路の消費電力に関する問題です。
\(R=5\Omega\)に\(i=6sin\omega t+2sin3 \omega t\)が流れた時の平均の消費電力を求めます。
正弦波(\(Asin\omega\))の形で、電流が定義されています。
この場合、消費電力を求めるには、振幅の\(1/\sqrt 2\)の値を取り出せば計算を行うことができます。
振幅の\(1/\sqrt{2}\)の値を"実効値"といい、この実効値の成分だけが消費電力に寄与します。
問題で与えられるひずみ波交流電流は2つの正弦波成分を含んでいるので、それぞれの振幅から実効値を取り出し、
\(I_1=6/\sqrt{2}\)、\(I_1=2/\sqrt{2}\)と表します。
消費電力は(抵抗) × (電流の実効値の2乗)で計算することができるので、
\(P=RI_1^2+RI_2^2=5\cdot \big( 6/\sqrt{2} \big)^2 + 5\cdot \big( 2/\sqrt{2} \big)^2 =100W\)
が得られます。
添付画像の後半に補足として実効値に関する解説を記載しています。
ポイントは正弦波を2乗して平均を求めると、
計算結果0にならず、(振幅の2乗)÷2という成分が残ることです。
この部分の平方根を求めると、振幅÷\(\sqrt{2}\)となり、これを"実効値"と定義しています。
この問題が解けるかどうかは実効値を知っているかどうかによります。
交流回路になじみがない方は解き難い問題ですが、これを機に覚えておきましょう。