H27 問04


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解説

直流回路に関する問題です。
問題の回路図は複数の並列回路が入れ子になった構造になっており、このような回路はラダー回路と呼ばれます。

このような構造の回路は右側から順番に計算をしていくのがセオリーです。

というわけで、添付画像の上部の回路図のように点a,b,c,dを自分で設定し、各部分の計算を行います。

点a,bより右の回路について計算を行う

\(R_3\)を求めるにあったって、\(60\Omega\)と\(R_3\)に印加される電圧の比から導出することも可能ですが、
電流\(I_3\)を求めておくと後半の計算に役立つので、
ここでは以下のように\(I_3\)を求めたうえでオームの法則により\(R_3\)を求めます。
$$15\,\rm{V}=60\,\Omega \times I_3 +10\,\rm{V}\rightarrow I_3=\frac{15-10}{60}=\frac{1}{12}\,\rm{A}$$
$$R_3=\frac{10}{I_3}=10\times 12=120\,\Omega$$

点cdより右の回路について計算を行う

電流\(I_3\)を求めていないと、\(R_2\)の導出に手間取ります。
ということで、先に求めた\(I_3\)を活用し\(I_2\)を求めたうえでオームの法則により\(R_2\)を求めます。
$$V_{ca}=30\,\rm{V}-15\,\rm{V}=15\,\rm{V}$$
$$I_2’=\frac{V_{ca}}{60\,\Omega}=\frac{1}{4}\,\rm{A}$$
$$I_2=I_2′-I_3=\frac{1}{6}\,\rm{A}$$
$$R_2=\frac{V_{ca}}{I_2}=15\times 6=90\,\Omega$$

点cdより左の回路について計算を行う

これまでと同様の手順で、\(R_1\)を求めます。
$$I=\frac{90\,\rm{V}-30\,\rm{V}}{60\,\Omega}=1\,\rm{A}$$
$$I_1=I-I_2’=\frac{3}{4}\,\rm{A}$$
$$R_1=\frac{30\,\rm{V}}{I_1}=30\times\frac{4}{3}=40\,\Omega$$

ラダー回路の計算は、どんな方法でも解けるけど、選択を間違えるとすごく時間がかかります。

・並列接続の合成抵抗は求めない。
・回路方程式(連立方程式)を立てない。

この2つにこだわって計算方法を選択すれば、計算スピードは確実に上がります。

電気回路に慣れてきた方は、直列回路はただ解くだけじゃなく、
「どう解くか」を意識するのがよいと思います。