H28 問16


<画像クリックで拡大表示>
問題はこちら

解説

電流/電圧計測の誤差に関する問題です。

誤差とは、目標値(理想値)と実測値のずれです。

研究、開発、設計、製造に関わるあらゆる技術者は日々「誤差」と戦っています。

いかに誤差ない設計ができるか、
いかに誤差なく計測するか、
いかに誤差なく製造するか、
皆それぞれ、いかに誤差を小さくできるかを常に考えています。

(誤差を小さくするプロセス)=(技術の進歩)と理解してもらって構いません。
電気に限らず、あらゆる技術は誤差を小さくするために成長し続けています。

尺を稼ぐために、熱めの前振りにしてみました。

それでは解説に移ります。

絶対誤差とは、目標値(理想値)と実際の値のずれです。
(絶対誤差)=(実測値)-(目標値)
という式で計算できます。

まず、電流計と電圧計の測定値から抵抗値を求めます。
$$R=\frac{V_{mon}}{I_{mon}}=\frac{50.00}{1.600}=31.25 \Omega$$

従って、絶対誤差は、
$$Err_{abs}=31.25-31.21=0.04 \Omega$$
となります。

続いて、相対誤差を求めます。
相対誤差は、目標値に対する誤差の比率で表します。
(相対誤差)={(実測値)-(目標値)}/(目標値)×100 [%]
という式で計算できます。

式の最後は「×100」は百分率(%)への変換を表しています。(必須ではありません)
「相対誤差は○○%です」と報告する場合は×100を忘れないようにしましょう。

従って、相対誤差は、
$$Err_{rel}=\frac{Err_{abs}}{R}\times 100=\frac{0.04}{31.21}\times 100=0.13 \%$$
となります。

電験に限らず、いろんなところで誤差の計算は使われますので、
これを機に覚えていただければ幸いです。