H29 問08


<画像クリックで拡大表示>
問題はこちら

解説

交流回路のインピーダンスに関する問題です。

まず、電源電圧とその電流が分かっているので、回路全体のインピーダンスの大きさ\(|\dot{Z}|\)を求めます。
\(|\dot{Z}|=|\dot{E}|/|\dot{I}|=5 \Omega\)となります。

ここでインピーダンス\(\dot{Z}\)は複素数であることに気をつけましょう。
問題で与えられているので電源電圧と電流の値だけで、それぞれの位相は分かりません。
計算で得られるインピーダンスの情報は大きさだけです。

\(R_1\)と\(R_2\)の合成抵抗を\(R\)とし、まずこの値を求めます。
先に求めたインピーダンス\(\dot{Z}\)の大きさと、コイル\(X\)の大きさより、
\(Z=\sqrt{R^2+X^2}\) → \(R=3\Omega\)が得られます。

最後に\(R_1\)を求めます。
各抵抗の電流の比率は問題で与えられており、電流の比は抵抗の逆比となるので、
\(I_1:I_2 = R_2:R_1=1:3\) → \(R_1 =3R_2\) となります。

並列回路の合成抵抗の関係式より
\(\frac{1}{R}=\frac{1}{R_1}+\frac{1}{R_2}\) → \(R_1=12\Omega\)が解となります。

交流回路の基本的な問題となります。
複素数やベクトル図が苦手な方はこの問題をしっかりおさえておきましょう。