H30 問02


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解説

平行板の電圧と電界の関係式\(V = E \cdot d\)を用いて、誘電体内の電界の強さと空気の電界の強さの関係を紐解いていくことになります。

誘電体内の電界と空気の電界の間には\(\varepsilon_{r}E_s = E_{air}\)という関係式が成り立ちます。この式は、空気の電界に比べて、誘電体内の電界は自身の比誘電率\(\varepsilon_{r}\)に反比例することを表しています。

補足で解説していますが、誘電体に電界を印加すると、誘電体内部では電荷の偏りが生じます(この現象を分極といいます)。分極により、誘電体内では電界が小さくなり、\(E_r:E_{air}=1/\varepsilon_{r}:1\)の関係が成り立ちます。

誘電体内の電界の強さが式で表せれば、\(E_{air} = V / f(d)\)という形になるように式変形をしていき、空気ギャップのみの電界の強さ\(E_{0} = V / d_0\)と比較することができます。

直感的に解を導くことが難しい問題ですが、誘電体内の電界をイメージを身につけることができるいい問題だと思います。