H30 問10


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解説

コンデンサへの充電の時定数\(\tau\)を導出する問題です。
RC回路の時定数は\(\tau=RC\)という関係式で表せます。
この関係式に値を代入すれば、時定数が求められます。

LやCを含む回路の電流/電圧の時間変化を求める問題は"過渡応答"と呼ばれるカテゴリーに分類されます。
時定数を求める問題は過渡応答の基礎となります。
まずは時定数の関係式をきちんと押さえておきましょう。

また、似たような関係式が存在するため(共振周波数\(f=1/2\pi LC\)、RL回路の時定数\(\tau=L/R\)など)、
RCが分子か分母か迷うことがあります。
公式を丸暗記するだけでなく、物理的な意味を抑えておくことで、間違いを無くすことができます。

RC回路の時定数はコンデンサの充電の進む時間を表します。
時定数が小さいということは、素早く充電が進むことを表します。

Rが小さいということは、たくさんの電流が供給されるため、時定数は小さくなります。
(つまり、時定数\(\tau\)はRに比例します)

Cが小さいということは、コンデンサの容量が小さいため、
充電に必要な電荷が少なくて済み、時定数は小さくなります。(つまり、時定数\(\tau\)はCに比例します)

以上から、RC回路の時定数はRとCに比例するため、\(\tau=RC\)の関係を満たすことが分かります。

電験3種では、たくさんの公式を覚える必要があります。
ただ、丸暗記では公式自体を間違えて覚えてしまったり、使いどころを間違えたりしてしまいます。

時々、公式を眺めて、この式は何を意味しているんだろうということを考えると、
公式の物理的な意味が少しずつ見えてきます。

実はこの作業こそが、理論の問題の正解率を上げる秘訣だと私は思っています。

まずは簡単な公式からで構いません。ときどき、この式は何を意味しているかを考えてみましょう。