H30 問17


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解説

平行板の電位と電界に関する問題です。

個体誘電体の部分の静電容量を\(C_1\)、空気の部分の静電容量を\(C_2\)と定義します。
それぞれは、\(C=\varepsilon S/l\)、\(\varepsilon=\varepsilon_r\varepsilon_0\)より、

\(C_1=4\varepsilon_0 S/ 4d=\varepsilon_0 S/ d\)、\(C_2=\varepsilon_0 S/ d\)と表せます。

\(C_1\)、\(C_2\)の2つのコンデンサが電源\(V_0\)に直列に接続されていると考えればよく、
それぞれに印加される電圧は、コンデンサの容量の逆比で決まります。

\(V_1:V_2=C_2:C_1=1:1\)となるので、\(C_1\)、\(C_2\)で\(V_0\)は二等分され、\(V_1=V_2=V_0/2\)となります。

従って、点\(4d\)で\(V_0/2\)となる(3)が(a)の解となります。

次に、個体誘電体の誘電率を\(\varepsilon_r\)とします。
このとき\(C_1\)は、\(C_1=\varepsilon_r\varepsilon_0 S/4d=\varepsilon_rC_2/4\)となります。

\(C_1\)、\(C_2\)に印加される電圧\(V_1\)、\(V_2\)は先と同じく、容量の逆比から求めることができ、
\(V_1:V_2=C2:C1=1:\varepsilon_r/4\)となります。
従って、\(C_1\)、\(C_2\)に印加される電圧\(V_1\)、\(V_2\)はそれぞれ、
$$V_1=\frac{1}{1+\varepsilon_r/4}V_0、V_2=\frac{\varepsilon_r/4}{1+\varepsilon_r/4}V_0$$
と表せます。

空気部分の電界の強さ\(E_2\)は\(E_2=V_2/d=2.5kV/mm\)となるので、先に求めた\(V_2\)をこの式に代入することで、
\(\varepsilon_r\)を導出することができます。

分母分子それぞれに\(\varepsilon_r\)に含まれるので、式変形が複雑ですが、添付の画像を参考に方程式を解いていくと、
\(\varepsilon_r=1.33\)となり、これが(b)の解となります。

平行板の静電容量の公式\(C=\varepsilon S/l\)と電界の公式\(E=V/d\)を使い方を理解できる問題です。
苦手な方は何度か繰り返し問題を解いて、テクニックを身につけましょう。