R01 問10
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解説
RC回路の時定数に関する問題です。
RC回路の時定数は\(\tau = CR\)と表せます。
この式にコンデンサの静電容量と抵抗の値を代入すれば時定数を求めることができます。
$$\tau = CR = 100\mu F \cdot 1k\Omega=100\times 10^{-6}\cdot 1\times 10^3=0.1s$$
抵抗で消費されるエネルギーはコンデンサに蓄えられているエネルギーと一致するはずなので、
ここでは後者から計算を行います。
コンデンサの静電エネルギーは\(E_C=\frac{1}{2}CV^2\)と表せるので、
$$E_C=\frac{1}{2}CV^2=\frac{1}{2}\cdot 100\times10^{-6}\cdot 10^3\cdot 10^3=50W$$
となります。
時定数という言葉を簡単に説明すると、変化が緩やかになるまでの時間と考えるのがよいと思います。
コンデンサと抵抗の組み合わせでは、時定数は\(\tau = CR\)なります。
また、コイルと抵抗の組み合わせでは、時定数は\(\tau = L/R\)なります。
これらの式は形が似ていて覚えにくいというか、時間が経つと忘れてしまいます。
私は公式は覚えるよりも作るという習慣を身につけていくほうがいいと思っています。
物理的な意味をきちんと身につけておけば、2つの式をきちんと覚えていなくても、
必要なときに公式は作れますし、意味も分かっているので自信をもって公式を作ることができます。
例えば、コンデンサの時定数の場合、時定数の値が大きいということは、
変化に時間が緩やかになるまでに時間がかかるということを表しています。
抵抗が大きければ、電流があまり流れず、コンデンサになかなか電荷がたまらず、
電圧の変化に時間がかかります。
つまり、時定数は抵抗に比例するということを意味します。
また、静電容量が大きければ、電荷がたまっていてもなかなか電圧が変化せず、時間がかかります。
つまり、時定数は静電容量にも比例するということを意味します。
時定数は抵抗と静電容量に比例するということが分かれば、\(\tau = CR\)の公式を自分で作ることができますし、この公式を自信をもって使うことができます。
次に、コイルの時定数についても考えてみます。
インダクタンスが大きいと、磁束をたくさん作ることができるので、電流はなかなか増加していきません。
つまり、時定数はインダクタンスに比例することを意味します。
一方、抵抗が大きい場合、大きな電流を流すことができず磁束を少ししか作ることができず、電流の変化はすぐに落ち着きます。
つまり、時定数は抵抗に反比例することを意味します。
以上から、コイルの時定数はインダクタンスに比例し、抵抗に反比例するので、
\(\tau = L/R\)の関係が得られます。
公式をたくさん暗記していても、きちんと覚えていないとここぞというときに使いにくいものです。
暗記以上に意味を理解するということは大切です。
いざとなれば意味さえ覚えておけば、公式は作れます。
簡単な公式こそ、きちんと意味を押さえておくことをおすすめします。