H28 問06
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解説
直流の電気回路に関する問題です。
電流\(I_1\)と\(I_2\)の電流比を求める問題です。
電圧や合成抵抗なんて、全く気にしなくて構いません。
並列回路の電流比は抵抗の逆比 で決まる。
ただ1つの条件だけを使って解を導出していきます。
以下のアプローチで計算を進めます。
- a-b間の電流\(I_2\)と\(I_2’\)の比を求める
- c-d間の電流\(I_{ca}\)と\(I_{c-d}’\)の比を求める
- 1と2の最小公倍数をもとに、回路全体の電流比を求める
1.a-b間の電流\(I_2\)と\(I_2’\)の比を求める
並列部の抵抗値が分かっているので、電流\(I_2\)と\(I_2’\)の比は以下のようになります。
$$I_2 : I_2′ =100 : 350 = 2 : 7$$
2. c-d間の電流\(I_{ca}\)と\(I_{cd}’\)の比を求める
1と同様に並列部の抵抗値が分かっているので、電流\(I_{ca}\)と\(I_{cd}\)の比は以下のようになります。
$$I_{ca} : I_{cd} =200 : 150 = 4 : 3$$
3. 1と2の最小公倍数をもとに、回路全体の電流比を求める
a-b間の電流比を4倍、c-d間の電流を9倍すると、全体の電流比が求められます。
添付画像の一番下の図のように、各電流の比率を全て図に記載するのがよいと思います。
以上より、電流\(I_1\)と\(I_2\)の電流比は、
$$\frac{I_2}{I_1}=\frac{2\times 4}{63}=0.127$$
となります。
複数の並列回路で構成される直流回路の計算では、各部の抵抗さえ分かっていれば、この問題のように回路全体の電流比が分かります。
電流比が分かると、回路全体の電流分布が把握できるので、その回路の動作がイメージしやすくなります。
回路設計者にとっては欠かせないテクニックであり、計算が短縮できるので電験向けだと思います。
是非参考にしてください。