H30 問07
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解説
電圧源と電流源を含む電気回路に関する問題です。
電流源は決まった電流を回路に供給するというルールを守ることを意識して、解を導出していきましょう。
まず、スイッチSを開いた場合、抵抗\(R\)には電流源\(I\)しか接続されません。
従って、この状態で抵抗\(R\)に流れる電流\(I_R\)は2Aとなります。
スイッチSを閉じた場合、抵抗\(R\)に流れる電流\(I_R\)は開いた場合の2倍の4Aとなります。
この4Aという情報をもとに、以下の手順で、抵抗\(R\)の値を導出していきます。
- 抵抗\(r\)に流れる電流\(I_E\)を求める
- 抵抗\(r\)に印加される電圧\(V_r\)を求める
- 抵抗\(R\)に印加される電圧\(V_R\)を求める
- \(V_R\)、\(I_R\)より、抵抗\(R\)を求める
抵抗\(R\)には電流源\(I\)から2A供給されることが分かっていて、スイッチSを閉じると、2倍に増えることから、電圧源\(E\)からさらに2A供給されると考えることができます。
従って、抵抗\(r\)に流れる電流\(I_E\)は、電圧源\(E\)から供給される2Aとなります。
抵抗\(r\)に2A流れることから、\(V_r=1\Omega \cdot 2A = 2V\)となります。
抵抗\(R\)に印加される電圧は電圧源\(E\)の10Vから\(V_r=2V\)を差し引いた\(V_R=8V\)となります。
\(V_R=8V\)、\(I_R=4A\)より、\(R=2\Omega\)となります。
数学的に解を導出したいという方は、(補足)で用いた重ね合わせの理を使って解を導出することができますので参考にしてください。
電圧源と電流源を含む電気回路の問題はオームの法則以外のルールを守って、回路の電圧/電流を求めないといけません。
似たような問題を解いて慣れていくしかないので、少し時間をおいてからもう一度この問題を解いてみて、テクニックが身についているか確かめてみてください。
慣れてくると、トランジスタやオペアンプ(電験3種では演算増幅器と呼ばれます)の電圧/電流の導出もできるようになってきます。
電気回路の理解を深めるいい問題だと思います。