H30 問15
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解説
三相交流に関する問題ですが、実際に問題を解いていくと、キルヒホッフの法則だけで回答できることが分かります。
まず、電源のベクトル図を描いてみましょう。
\(\dot{E_A}\)、\(\dot{E_B}\)、\(\dot{E_C}\)の順で位相が\(\frac{2}{3}\pi\)ずつ遅れているという条件なので、
実軸上に\(\dot{E_A}\)のベクトルを置き、そこから時計回りに\(\frac{2}{3}\pi\)ずつ回した位置に\(\dot{E_B}\)、\(\dot{E_C}\)のベクトルをそれぞれ配置します。
ベクトル図が描けたら、\(\dot{E_A}\)、\(\dot{E_B}\)、\(\dot{E_C}\)をそれぞれ複素数で表します。
\(\dot{E_A} = 100V\)
\(\dot{E_B} = \Bigl(-\frac{1}{2}-j\frac{\sqrt{3}}{2}\Bigr)100V\)
\(\dot{E_C} = \Bigl(-\frac{1}{2}+j\frac{\sqrt{3}}{2}\Bigr)100V\)
あとは、スイッチ\(S_1\)、\(S_2\)の状態に合わせて、回路を設定し、
キルヒホッフの第二法則により、回路の電流を求めることができます。
三相交流に関する場合では、必ず電源の間で位相差があります。
以下2つの手順を必ず行うようにしましょう。
- 各電源の位相差が分かるようにベクトル図を描く
- ベクトル図をもとに、各電源の位相状態を複素数で表す
位相差を複素数で表現できるようになれば、あと直流の電気回路と同じように計算が可能になります。
三相交流以外でこのような計算をすることはないので、慣れるまで類似問題を解いて、
テクニックとして身に着けていくようにしましょう。