R01 問02


<画像クリックで拡大表示>
問題はこちら

解説

コンデンサの電圧と電界に関する問題です。

コンデンサ(または平行板)に関する問題では以下の公式が必ず登場します。
3点セットで覚えておきましょう。

  • \(Q=CV\)
  • \(C=\varepsilon_r\varepsilon_0\frac{S}{d}\)
  • \(E=V/d\)

また、この問題では、コンデンサの直列接続がポイントになります。

接続された複数のコンデンサの静電容量は、
並列接続では各素子の和、直列接続では各素子の逆数の和になります。

抵抗とは逆の振る舞いをすることを覚えておきましょう。

また抵抗が並列接続されたとき、各素子に流れる電流の比は抵抗の逆比となりますが、
コンデンサは直列接続されるとき、各素子に印加される電圧の比は、容量の逆比となります。
$$V_1:V_2:V_3=\frac{1}{C_1}:\frac{1}{C_2}:\frac{1}{C_3}$$

この関係も重要なので、しっかりおさえておきましょう。

では、これらの公式を使って、この問題の解説をすすめます。

添付の画像の\(C_1\)、\(C_2\)、\(C_3\)の回路は、問題の回路図の一番左の並列分岐部分を表しています。

まずこの回路に含まれる\(C_1\)の電界\(E_A\)を求めます。

\(C=\varepsilon_r\varepsilon_0\frac{S}{d}\)より、\(C_1=C/2\)、\(C_2=C/3\)、\(C_3=C/5\)となります。
(ここで、\(C=3\varepsilon_0S\)としています)

各コンデンサは直列接続されているので、それぞれに印加される電圧は、
$$V_1:V_2:V_3=\frac{2}{C}:\frac{3}{C}:\frac{5}{C}=2:3:5$$
となります。

さらに\(V=10kV\)なので\(V_1=2kV\)、\(V_2=3kV\)、\(V_3=5kV\)となります。
\(V_1\)の値が分かったので、\(E=V/d\)より、\(E_A=V_1/d_1=2kV/2mm=1V/m\)が得られます。

次に、添付の画像の\(C_4\)、\(C_5\)の回路は、問題の回路図の中央部の並列分岐部分を表しています。

前半と同様に、各コンデンサの静電容量を求めると、\(C_4=C’/4\)、\(C_5=C’/6\)となります。
(ここで、\(C’=2\varepsilon_0S\)としています)

続いて、各素子に印加される電圧は、
$$V_4:V_5=\frac{4}{C}:\frac{6}{C}=2:3$$
となり、\(V_4=4kV\)、\(V_5=6kV\)となります。
以上より、\(E_B=V_4/d_4=4kV/4mm=1V/m\)が得られます。

従って、\(E_A=1V/m\)、\(E_B=1V/m\)が解となります。

コンデンサと平行板電極の基礎的な要素が詰まった問題です。
苦手意識のある方は、何度か問題を解いて、コツをつかみましょう。